2018年2月14日水曜日

【卒業生インタビュー・及川静香さん】 「後編 ゼミに影響を受けた生き方とは?」

卒業生インタビュー 及川静香さん  「後編 ゼミに影響を受けた生き方とは?」

前回に引き続き、及川静香さんのインタビューです。今回は及川さんのキャリアについて紹介します。現在、及川さんはリノベーションを手掛けるブルースタジオで勤務しながらも、ベンチャー企業で副業もしています。また、映画配給会社、英会話学校、大手不動産ディベロッパーなどでのお仕事も経験されています。副業を始めたきっかけやこれまでのキャリアについて伺ってきました。


Q1.いくつか転職を経験されていると思いますが、差し支えのない範囲で転職理由を教えて頂けますか?

興味を持って入社しても、会社の状況が変わったり、もっとチャレンジしたいなと思ったり、そんな背景で転職しています。
私の場合何度か仕事を変えていますが、転職をきっかけにさらに世界が広がり、より好きな仕事ができているように思います。

Q2.国際文化学部で学んだことは、現在の仕事(ブルースタジオでの広報やプロモーション)でどのように活かされていますか?

「価値を伝える」ことや「コミュニケーション」の部分で役に立っています。
ゼミでは19世紀末から20世紀半ばごろのアートとその社会的背景を学んでいました。具体的に言うと、あるアート活動について、どういう歴史の上に、どんな目的で生まれたのか。どのようにメッセージを発信し、どんなインパクトを与えたのか、といった内容です。
今の仕事では、リノベーションした家族の暮らしを写真におさめ、webサイトなどで発信し、家作りを考えているお客さんやメディアに届ける、ということをしていますが、他社との違いの出し方や、リノベーションの楽しさをどうやって世の中に届けるか常に考えています。
辿ってみると、それはゼミで勉強した社会とのコミュニケーションの取り方がベースになっていると思います。



Q3.いくつか転職を経験されていると思いますが、今までの仕事(現在の仕事)で国際文化学部で学んだ知識が活かされた経験はありますか?

現在の広報の仕事が一番活きていると思います。また、SAで身に着けた英語や外国人とのコミュニケーション方法は、英会話学校や不動産デベロッパーでの仕事でも役に立ちました。

Q4.現在、副業としてベンチャー企業で勤務されていると伺ったのですが、仕事内容などを教えて頂けますか?

出向制度を活用して、社外に人材を送り、自社とは異なる環境で経験を積むことで個人の成長を促す「レンタル移籍」というサービスを提供するベンチャー企業で働いています。今は大企業からベンチャー企業に出向させる事例が多く、ベンチャー企業での経験を活かして、新規事業を創出することが期待されています。私はここで週1日程度レンタル移籍者同士のコミュニティづくりやイベントなどの仕事をしています。


Q5.ベンチャー企業での勤務を始めようと思ったきっかけはありますか?

リノベーションの仕事はすごく楽しくやりがいがありますが、一方で、私自身80歳まで働きたいという思いあり、今後の長いキャリアをどう歩んでいこうか考えていました。そんな矢先、今のベンチャーの社長とランチをする機会があり、いろいろ話をする中で、パラレル(※1)で働いてみることになりました。
長く働くことを考えた時に、もっと多様なスキルや人脈を身につけたいと思ったことがきっかけです。

※1 パラレル:パラレルキャリアのこと。本業を持ちながらボランティア活動や別企業での勤務などの第2の活動をすることにより、自らの可能性を広げる働き方のことである。

Q6.現在のキャリアに影響を与えた大学時代の経験などがありましたら、教えてください。

ゼミでアートを学ぶにつれ、自分も「ライフ」と「ワーク」が寄り添う仕事をしたいと思うようになりました。アートに情熱を燃やし、社会にインパクトを与え次の世の中を作ろうとした人たちを知るにつれて、ただ仕事と割り切るのではなく、好きなこと・やりたいことをして、それが世の中のためになるという働き方をしたいなと。それが今でも自分の軸になっています。


Q7.国際文化学部を志望する高校生の方へメッセージをお願いします。

SAはすごく良い機会で、自分が行った国だけでなく、他の国に行った人とも交流がもてるので自分の視野が広がります。一人で留学するのとは違った経験ができますね。
また、ゼミや授業を通して一緒に学びじっくりと話し合えるのもすごく大きな魅力です。
人数がそんなに多くないので、学部全体でなんとなく知り合いみたいな感じになってますよね。規模間的な良さもあると思います。

森村ゼミの皆さんと及川さん


及川さんありがとうございました!

ゼミでの学びが仕事やキャリアにつながっているというお話しから、大学での学びは卒業後の生き方の軸にもなると思いました。また、パラレルキャリアのように社会人として新しいことに挑戦する大切さも感じます。
今回の及川さんのインタビュー全体を通して、国際文化学部では語学以上のことが学べ、それらが卒業後の仕事や生き方で活かされているということを知っていただけたらと思います!


【卒業生インタビュー・及川静香さん】 「前編 語学以上のことが学べる学部」

卒業生インタビュー 及川静香さん「前編 語学以上のことが学べる学部」


今回の卒業生インタビューでは、2期生の及川静香さんにお話を伺ってきました。
及川さんは現在、リノベーションを手掛けるブルースタジオで広報やプロモーションのお仕事をされています。今回のインタビューでは、及川さんの大学生活について伺ってきました。


及川 静香さん
2000年国際文化学部入学。2004年卒業。
在学中にはSA(スタディアブロード)でシェフィールド大学に行き、森村ゼミでアートについての研究をしていました。
映画配給会社や英会話学校、大手不動産デベロッパーでの勤務を経て、現在は、リノベーションを手がけるデザイン会社ブルースタジオで勤務されています。




Q1.最初に国際文化学部に入学したきっかけを教えてください。

高校生の頃、大学進学はしたいと考えていましたが、何を勉強したいか具体的なイメージがありませんでした。ただ英語が好きだったので、英語が学べてかつ留学が必修で入っている国際文化学部を知り、興味を持ったことがきっかけです。

Q2.SA(スタディ・アブロード)で行ったシェフィールド大学での思い出や印象に残った出来事を教えてください。

全てが良い思い出ですが、何よりホームステイができたことがよかったです。私は元教師の50代ぐらいの女性1人住まいにステイしたのですが、彼女と一緒に夕食を食べながら、学校のことや将来のこと、文化や人間関係などいろんなことを話せたのがとてもよい経験でした。料理も上手で、毎日楽しいディナータイムでした。
大学の中での交流としては、シェフィールド大学には日本語学部があります。日本語を勉強したい人、日本に留学したことがある人たちと集まっていました。イギリスの大学は学内にパブやクラブもあり、みんなで行っていました。
私たちの代は、日本のことを紹介する「日本村」というイベントをやって、浴衣を着たり日本料理を作りました。この時、現地の学生や他大学の方、ホストマザーが来てくれたりしてとても盛り上がりました。
他にもアフリカや中東などから様々な国の留学生がきていて、初めて会う国の人と仲良くなるのも面白かったですね。

Q2.森村ゼミに入った理由を教えてください。また、ゼミではどのようなことを研究されていましたか?

大学1年生の時に初めて自分のお金で旅行に行ったのがニューヨークで、そこで美術館に行ってアートが好きになりました。SAでもロンドンの美術館に足を運んだり、色々アートを見る機会があり、もっとアートを学びたい気持ちで森村ゼミを選びました
ゼミでは、その他に建築・デザインも学びましたが、歴史に加えて思想的な部分にも触れられたのが非常によかったです。文献を読んだり、みんなでディスカッションすることも最初は難しくてわからなかったのですが、徐々にその楽しさにのめり込んでいきました。
卒業研究では、アヴァンギャルドアートや、アートが世の中に与えるインパクトなどについて研究しました。

Q3.就職活動や進路についてのお話をお願いします。

今より就活が始まる時期が早く3年生の中頃から始めなくていけませんでした。ゼミが3年生から始まってゼミがおもしろく、ゼミで学べることがせっかくあるのに全部片手間にして就活に集中するのがしっくりきませんでした。ゼミの勉強をしっかりやりたいという意味で就活はしなかったです。

インタビューの様子

Q4.入学前と後で国際文化学部に対するイメージが変わったことはありましたか?

入学前は、語学および留学がメインのイメージでしたが、それ以上に文化・思想について学べたと思っています。文化は授業とゼミ両方で、思想は主にゼミで学べました。
あとは、SAでも語学以上のことを学べますよね。SAも語学力向上をメインで考えていたのですが、ホームステイだったこともあり、ホストマザーと密な関係を築けました。ホストマザーと話すことでイギリスという国やそこに暮らす人の価値観などを知るきっかけになりました。また、現地の大学生とも交流する機会があり、言葉以上のものを得られたと思います。
その後、戻ってきてゼミに入りました。同期のゼミ生はフランスやアメリカ、中国、スペインなど色々な国に行っていました。みんなすごく濃密な半年を過ごしているので、ゼミで仲良くなるにつれ、当時の経験をよく話しました。友達を通して彼らが見た世界を知り、文化への理解が深まった感じがします。
卒業旅行も、ゼミの同級生4人でスペインとフランス、イギリスに行ったんです。その時はSAスペインの子に、バルセロナを案内してもらいました。スペインでコンドミニアムを借りて、スーパーで食べ物やお酒を買って1週間ほど生活するように旅をしました。みんなアートが好きだったので、スペインやフランスでたくさんの美術館に行き、これまでの旅行とはちょっと違う楽しさがありました。

また、入学前は学部の規模感はいまいちつかめませんでしたが、2期生は全体で200名(現在は249名)とそんなに多くありません。その代わりに、クラスだけでなくSAやゼミというつながりもあり、色々経験している人と仲良くなる機会が多くありました。入学前は、大学は人がたくさんいる反面、友人関係はコンパクトになるイメージを持っていたのですが、大学時代の友人とは今でもよく集まっています。この関係は今の自分にとって宝ですね。

及川さんありがとうございました!

国際文化学部のSA(スタディ・アブロード)や語学が中心とイメージしがちですが、実際は文化や思想など幅広い分野について学ぶことができる学部ということがわかるインタビューでした。また、及川さんが仰っていた通りゼミなどを通して色々なことを経験をしてきた人と交友が深まるのも魅力だと感じられます。
次回は卒業生インタビュー後編ということで、卒業後の及川さんのキャリアについて紹介します。