2017年11月10日金曜日

もっと知りたいSA!留学先の時間割を公開します~後編~

前回の記事に引き続き、2018年度学部パンフレット「SA体験記」を執筆してくださった皆さんに、SA先での時間割をご紹介いただきます。

今回、時間割とコメントをご提供くださったのは、SAロシア・ペテルブルク国立交通工科大学参加者の杉江さん、SA中国・上海外国語大学参加者の澤田さん、SAスペイン・バルセロナ大学参加者の土方さん、SA韓国・韓国外国語大学参加者の堀田さんです。


SAロシア:ペテルブルク国立交通工科大学 

(月~金曜日。土日は授業なし)

曜日ごとに、扱う内容が決まっているのではないのですね。
学習は、どのように進んでいったのでしょうか。
文法や長文読解の問題が掲載されている教科書を使って、毎日違う内容に取り組みました。SA後半は、ロシア語検定ТРКИ(テ・エル・カ・イ、※1)の対策が中心的な内容となりました。

(※1)ロシア連邦教育科学省が認定する国家能力試験。

授業では、リスニングやライティングの練習もできましたか。
リスニングについては、先生が用意してくださった教材に取り組みました。
ライティングは、ТРКИ対策の一環として取り組んだことが主な内容でした。
先生が添削もしてくださいました。

留学前に法政大学で受けられたロシア語の授業と比べて、 違いなどは感じましたか。
SA先での授業は、より生活に即した実践的な内容だと感じました。
例えば、病院で使うロシア語をテーマにした授業では、定型文や新出単語の紹介があるのみでなく、受講生でペアになってロールプレイを行ったりもしました。 


SA中国:上海外国語大学

「精読」の時間には、長い文章を読んだのですか。
まとまった文章を読むために必要な事項を学んでいくような授業でした。
具体的には、テキストに出てくる単語の使い方を学んだり、テキストを音読したりしました。

「会話」の授業は、どのような内容でしたか。
テキストを使いながら、自身の出身国と中国との違いについて書いた作文を発表したり、受講生の間で互いの文化について質問しあったりしました。テーマとしては、交通や旅行等がありました。
法政大学の「会話」の授業では、先生と学生とで会話する活動が中心でしたが、SA先では学生同士で会話をすることが多かったです。

HSK(※2)5級対策の授業とは、どのようなものだったのでしょうか。
全留学生対象として開講されていたのではなく、 国際文化学部生だけが受けられる授業でした。 今回一緒に留学したメンバーは、既にHSK4級を取得している学生が多かったので、 5級の対策をすることになりました。 過去の試験問題を解いて解説を聞いたり、 中国語の文章を分析的に読む方法を教えていただいたりしました。

(※2)中国政府認定の中国語検定。


SAスペイン:バルセロナ大学
月曜日から木曜日の週4日学校に通います。
午前中は、他の国の留学生と一緒にレベル別にスペイン語を学び、
午後は、スペインの文化の授業をいくつかある内から選択して受けます。

「シチュエーションに応じた話し方」と、「スペイン語会話」はどのように違うのですか。
「シチュエーションに応じた話し方」の授業では、主にカタルーニャ独特の言い回しや文化を学びます。一方で「スペイン語会話」では習ったらすぐに使えるような日常生活における表現を学びます。


SA韓国:韓国外国語大学

文法の授業のコマ数が多いですね! どのような内容だったのでしょうか。
50分の授業のうち 前半25分で新しい項目を学び、
後半25分で習った項目を使いながら会話の練習をしました。

「読み」の授業では、どのようなものを読まれましたか。
教科書に沿って、新出語句の意味を調べたりしながら読解に取り組みました。
教材のテーマには、環境問題や韓国の文化等がありました。



複数のSA先で語学試験対策について言及されていました。外国語運用能力の「伸び」を客観的に確認するために、試験を受けてみるのも良いかもしれません。

さて、全2回の「SA先時間割紹介」はいかがでしたでしょうか?
留学生活をイメージするのに、お役立ていただければ幸いです。

2017年11月6日月曜日

国際文化学部で学ぶ「情報」

はじめに


国際文化学部には情報文化コース・表象文化コース・言語文化コース・国際社会コースの四つのコースがあります。その中でも「情報」と聞いてみなさんは何を思い浮かべますか?ネットワーク、専門用語、どこか難しそうで興味が持てない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?実はこの記事を書いている私もその一人でした。しかし実際に国際文化学部に入学し学んでいく中で、情報というキーワード一つでも様々なアプローチがあり、奥の深い分野であることに気づくことができました。今回はそのような情報を取り扱う授業について、何を学ぶことができるのかご紹介いたします。


なぜ国際文化学部で情報を学ぶのか?


そもそも国際文化という学部の名前でなぜ情報を扱うの?という疑問が挙がるかもしれません。
本学部では情報をコンピュータ・ITといった考え方よりもより広い「文化情報」として捉え、研究を行います。この文化情報という言葉とは、受信、発信、編集、分析、蓄積、流通など、知的な行為にかかわる物全てを指します。※1それは情報…コンピュータにとどまらず、芸術や言語など、学部全体の研究内容に関わってきます。冊子『異文化 18』には文化情報という言葉に関して「身体表現を研究するとか、映像を制作するとか、文学にこだわるとか、この手のすべての研究、あるいは創作活動とは文化情報なんです。」※2と説明があります。
本学部設立の計画をたてている際には「国際文化情報学部」という名前をつけようとしていたそうです。このことからも情報に関することが学部全体にまたがるテーマの一つであることがうかがえますね。

上の写真は国際文化学部が発行している冊子『異文化 18』
※1、2…「対談-文化情報学とは何か、何であるべきか?」P44-86、『異文化 18』法政大学国際文化学部、2017年


国際文化学部でできる「情報」のこと


①国家試験に繋がる勉強ができる


情報という分野において、コンピュータの存在はやはり大きいものとなっているため、情報文化コースの中にはその基礎を学ぶ授業が設けられています。一年次には全学部生必修の授業もあり、ネットワークの仕組みなど基本的なことから順に学び、理解を深めていくことができます。二年次以降にもコンピュータに関する様々な授業が選択でき、プログラミングを学ぶこともできます!
章タイトルにある国家試験について、情報文化コースにはITパスポート試験、基本情報技術者試験の試験範囲と重なる分野を学ぶ授業が複数あります。これらの試験は、前者はどんな業種・職種の社会人や学生でも、後者は主に情報技術に関わる仕事に就く社会人や学生に、それぞれ必要な関連知識があることを証明する国家資格となっています。コンピュータを使い仕事することが当たり前になった現在、その影響はより大きくなっていると言えるでしょう。学んだことを国家試験の受験にも繋げていくことができる、そのような授業が多いことは学部の大きな特徴の一つと言えます。

②情報とどう向き合うかを考える


先ほど述べた文化情報の説明の中での「受信」、情報を人がどのように受け取るのか、向き合っていくのかについて学ぶことができる授業があります。例えば情報技術に関して取りあげるとすると、自動車の自動運転といった技術の進歩に対して普及が進んでいないのはなぜか、技術と倫理の関係について挙げることができます。
その他にもコンピュータに関する「情報」だけではなく、人が物を使うときにやり取りされる情報や、様々な文化とそれに対する人の反応、受け取り方など「情報」については様々な捉え方があります。短い文章では説明が難しいのですが、新しい情報の考え方を知ることはとても面白いですよ!

③情報をどのように利用するかを学ぶ


国際文化学部の授業ではコンピュータの基礎を学ぶ他に、情報の発信についても理解を深めることができます。具体的にはメディアの特性を始めとした理論に関するものから、Photoshopと呼ばれるソフトを使った作品づくりといった実践的なものまで様々です。情報に関して知識を蓄えていくだけでなく、学部内で学んできた芸術や言語等の知識をいかに活用していくかを学ぶことができることも魅力の一つです。


おわりに


本記事では名前を聞いただけでは少しイメージすることが難しい「情報」の授業について、内容を三つに分けてご紹介いたしました。国際文化学部における情報の授業では、コンピュータの仕組みを始めとした知識を得ることができます。また、より広い範囲の情報の受け取り方・変化・発信について、様々な専門性をもった先生方のもと学ぶことができることは大きな特色と言えます。
下に今回の記事に関する国際文化学部の授業のシラバスをお載せします。こちらは2017年度版となっており、年度が変わった場合にはwebシラバスのページから科目名で検索すると、最新版を見ることができます。ぜひのぞいてみてくださいね!

法政大学webシラバスより
①国家試験に繋がる勉強ができる…情報リテラシーⅠ 、 プログラミング言語基礎
                情報システム概論 、 情報システム応用 
②情報とどう向き合うかを考える…ヒューマンインターフェイス論中国の文化Ⅲ 
③情報をどのように利用するかを学ぶ…メディアと情報情報コミュニケーションⅢ

法政大学webシラバスリンク